ナイトアウルには陰がある。
実力はシングルに相当すると言われながらハウス・レコードは安定せず、
解決したはずの事件で犯人が行方不明になるケースが後を絶たず、
皇千トの謎解きには、いつだって論理を超越した不可能性が付きまとう。
ナイトアウルの事務所は夜の街に灯をともす。そこに棲まうものたちを、おびき寄せるために。
裏の世界にも闇はあり、謎は生まれる。だから当然、探偵もいる。
金と暴力と夜の匂いに包まれて、フクロウは今日もネズミを喰らう。
―― ナイトアウルには陰がある。
双つの闇が、いずれ星を食い破るから。